試聴
動画
DIR EN GREY-人間を被る[Restricted](Promotion Edit Ver.)
(規制入ってますがやや閲覧注意です)
人間を被る収録CD紹介
・シングル「人間を被る」収録
・アルバム「The Insulated World」収録
人間を被る感想
既にタイトルからして考えさせられる1曲です。
「〇〇を被る」という言葉を見ると、真っ先に思い浮かぶのは「猫を被る」ですが、被っているのは猫ではなく人間。
イントロでは、暗めのクリーンギターを起点に、激しい音ながらも深く深く沈みこんでいくようなバンドサウンドが展開されていきます。
“バラバラの傷を縫い合わせ
出来上がった憎悪の塊
最低最悪の出来だろ?
それは誰?ふしだらな自決満開
出来上がったカッティングメッセージ
最低最高の出来だろ?
だから今…”
―「人間を被る」歌詞(作詞:京)より引用―
深く重いバンドサウンドに、吐き捨てるようなボーカルが重なるAメロ。
自分を取り繕ったり、傷つけたりしながら、それでも取り繕えば「最低最悪の出来だろ?」傷つければ「最低最高の出来だろ?」
歌詞の主人公の意識には、必ず、自分の事を良く思っていないであろう(と、主人公が思い込んでいる)第三者がいるようです。
“Blessing to lose heart
穢されはしない幸福感”
―「人間を被る」歌詞(作詞:京)より引用―
「Blessing to lose heart」の所はライブで観客が一体になってノレそうなリズムでのデスボイス。
和訳して意訳すると……感情を消し去ってしまいたい、という事なのでしょうか。感情を消し去る事こそが「穢されはしない幸福」。
こんなにも辛いのなら何も感じなくなりたい、それこそが唯一の救いなのだと、思い込んでいるようです。
“誰が正しいとかどうでもいい
誰のルールで生きてる?
誰の為に生きる?
誰の為に生きるのだろう?”
―「人間を被る」歌詞(作詞:京)より引用―
京さんは下のインタビューで「人間を被る」の歌詞について話す際、『「正しい」と言われてるものが本当に正しいのかわからないことがけっこうあったり』『そこに自分の意思があるのかどうかもよくわかんなかったり』と発言されています。

AメロBメロは感情的に歌われ、歌詞をしっかり読んでいないと聞き取りにくいのに対し、サビはハイトーンで美しく力強く、歌詞が無くてもメッセージがしっかり伝わってきます。
特に、「誰のルールで」の辺りの、ボーカル京さんの感情の入り方が半端ない。
サビの歌詞の問いに対し、「自分の為に自分の意思で、自分のルールで生きる」と潔く答えられれば良いのですが、そうはいかず、誰かに縛られてしまっている人も多いのでは無いでしょうか。
「この人が正しいと言っているから正しいんだ」と盲目的に信じてみたり。誰が言ったかはどうでも良くて、自分が正しいと思うかどうかが一番大切な事なのに。
こうして、周りの誰かに合わせてしまう事、それこそがタイトルにもある「人間を被る」に通じるのではないかと思います。
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