試聴
予感収録CD紹介
・シングル「予感」収録
・アルバム「GAUZE」収録
・ベストアルバム「DECADE 1998-2002」収録
・ベストアルバム「VESTIGE OF SCRATCHES」収録
予感感想
イントロのクリーンギターの音色は水晶のような、透き通った氷のような印象があり、とても涼やかな音色だなと思っているうちにリズミカルなバンドサウンドが合わさって来ます。
“ウワベだけで今も 君を弄んでる
君は何も気づかず -180℃に凍る愛
無口な君に 無口な愛で 無口な不快感を
無口な僕に 無口な愛で 無口な傷跡”
―「予感」歌詞(作詞:京)より引用―
曲調はとても楽しげなのに、歌詞が不穏な言葉ばかりですね。
マイナスの温度で凍らされていて無口な状態って、それ多分、意図的に無口なのではなく、言いたくても物言えぬ状態にさせられているんじゃと勘ぐってしまいます。
“十八人目の君 僕に気づいていない
やさしさに裏付けた 凍りついたこの愛を
静かな君に 静かな愛で 静かな快感殺し
静かな僕に 静かな愛で 静かな…”
―「予感」歌詞(作詞:京)より引用―
「十八人目」「-180℃」…
-18℃じゃないのは突き抜けて冷たい雰囲気を出す為かもしれませんが、18という数字にはこだわりがあるような気がしてなりません。
そして、これでもかという程に、「無口」「静か」という言葉が使われています。
テンポ良く繰り返される事で、その言葉の印象が強く頭に残ります。
“変えれない 帰れずに ah 無口な愛
静かに 静かに 絡め合う二人”
―「予感」歌詞(作詞:京)より引用―
サビでは同時にバックに、イントロで流れていた冷ややかで透き通ったクリーンギターのメロディが奏でられます。
そして更に繰り返される、「無口」「静か」…
私は不穏な想像をしがちですが、敢えて違う考え方をしてみるのであれば、2020年現在風に考えればメールやLINE、この曲が発売された1999年で考えると文通になるんでしょうか……そういうやりとりも、無口で静かな愛と、言ってもいいのかもしれません。
また、曲の最後の方にはサビの歌をバックにボーカルの京さんが、
「君の顔を見ても何も、感じないよ
そうやって、ずっと、騙されるがいいさ
僕の昔の傷に、比べれば…」(歌詞には表記が無いため聴き取りです)
…と呟くいう特徴的な構成を持つ箇所があり、その箇所を経て最後に、
“いつからか あなたに気付いていた でも
あなたの傍にいれるだけでいいの
僕は最後に君を抱きしめた
これが最後になるとも知らずに”
―「予感」歌詞(作詞:京)より引用―
と曲が締め括られるのですが、この部分が、謎が謎を呼ぶミステリアスな感じになっているのも魅力的な所です。
主人公と、十八人目の君は一体どういう状態になっているのか。
私の解釈はかなり文字通りで、何と言うか、やろうと思っていたらやられてしまったように思うのですが(何をやろう、とは敢えて明言しません)、皆さんはどう思いますか?
聴きやすいけれどクールでミステリアスな1曲、夏の暑い日のお供にいかがでしょう?
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