試聴
秋雨葬送収録CD紹介
シングル「灯」通常版Ctype収録
秋雨葬送感想
情緒溢れるギターの音がまるでしとしとと降り続ける雨を思わせる、己龍の美しいバラード曲の1つです。
“物憂げな琥珀の装い 灰色の空
しとしと唄い奏でるソレは私の心
指切りの唄が途切れて消え入る刹那
「いちぬけ」ぽつり……その一言を置き去りにして”
―「秋雨葬送」(作詞:酒井参輝)歌詞より引用―
舞台は、周りの木々が琥珀色に装いを変える秋の雨の日。
主人公はその雨の音を聞きながら、自身の泣きたい心を重ね合わせています。
自身よりも早く、「いちぬけ」してしまったその人の事を思い起こしながら……
“思い出は優しさだけを心に残してしまう
私はアノ日から動けないままで…”
―「秋雨葬送」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
昔、一緒にいた頃があまりに幸せで、それが失われた現在が今でも信じられず、つい過去の幸せな記憶を思い出しては主人公の心が「アノ日」に留まってしまい、未来へ歩き出せなくなっている様子も描かれます。
“掌合わせ偲んだのは愛 烟る別れ日 秋雨葬送
突き刺さるのは幾千の愛 涙揺蕩う 秋雨葬送”
―「秋雨葬送」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
歌詞の主人公が愛していた人は、現在は線香の煙をあげられ、偲ばれる立場にいる、つまり既に亡くなっている状態です。
亡くなった方を偲ぶ歌、それがこの秋雨葬送という曲です。
幾千の愛が突き刺さる、と歌われているくらいですから、生前は主人公と相手は本当に愛し合っていて、とても幸せな二人だったのでしょう。
“ただ穏やかに眠る貴方が
思い出を抱き浮かんで消える
小さく震える私がそこから見えますか…?”
―「秋雨葬送」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
「貴方」が天国へ向かっている様子でしょうか、「私」が小さく震えているのは涙を流しているのか、堪えているのでしょう。
そんな様子は、「貴方」がいる天国から見えますか?と問いかけています。
“私の代わりに泣いた秋の空
流れる「さよなら」の欠片”
―「秋雨葬送」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
この部分のボーカル・黒崎眞弥さんの声があまりにも寂しげな女性の様であったので、私は少なくとも歌詞の主人公は女性なのではないかと考えています。
もしも大切な人が亡くなってしまうような事があれば、この曲はその悲しみに寄り添う事が出来ると私は思います。こんな曲もあるのだと、頭の片隅に留めておいていただければと思います。
秋雨葬送リンク

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