「蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ/己龍」を聴いてみた!

音楽感想

試聴

蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ収録CD紹介

・アルバム「暁歌水月」収録

蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ感想

不気味に揺れる音から始まったかと思いきや、小刻みにリズムを刻むギターと、不安を煽る同期音の組み合わせで、不気味なホラー世界を描き始めます。

“ぼんやり浮かぶ曲線の淵をなぞる指 夢見心地の水面に揺蕩う蜉蝣よ
風が誘いゆらめく意識に吠える夜 後に残った波紋が棘の様に”
―「蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

ボーカルを邪魔しないように、しかしリズミカルさも失わないように、合間合間でギターが入っています。

月夜に、水面に蜉蝣が飛んできて何となく、その着水した時の波紋を指でなぞって遊んでいたら、いつの間にか蜉蝣は飛び去っていて、水面には波紋だけが残っていた……そんな光景が目に浮かぶようです。

そしてそんな些細な事でこれから歌われる事が起きるのですから

“崩れてく 壊れてく 遠のく調べ
欠け落ち 剥がれ落ちた 何時かに爪を立てる”
―「蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

「欠け落ち 剥がれ落ちた」の辺りで流れる下から上がっていくギターのリフがとてもカッコイイなぁと思っています。
これが何だか、傷ついたけど確実に一歩一歩進んでいくみたいな、そんな力強さを感じさせるのですよね。
崩れて、壊れて、欠けて、剥がれて、ボロボロなのに爪を立てて抗おうようとする芯の強さがあるって凄いです。

“僕は僕を脱ぎ捨て僕の知らない僕が顔を出す
失くしたのは僕か…僕の形をした何かだったのだろうか…”
―「蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

「僕は僕を脱ぎ捨て僕の知らない僕が顔を出す」
まさにこれはタイトルで表現するならば、「羽化した」という事になるのでしょう。ただこの主人公、羽化という概念を知らない。

というか、羽化する虫達の中で、自分達のその状態が羽化と呼ばれている事を知っている虫なんていない筈ですから、概念を知らないというか、その概念に名前をつけるような存在がいない、の方が的確かも知れません。

もしくは主人公人間だと思っていたのですが、虫視点なのでしょうか?
羽化の概念を知らない虫視点で、擬人化して羽化を表現したらこうなった、という事なのでしょうか……
その場合は脱ぎ捨てたのは単純に蛹です。

虫でなく人間視点なら、脱ぎ捨てたのは昨日までの自分、と言った所でしょう。そして今までの自分からは想像もつかなかった自分が顔を出して活動を始める……

この状況をして虫の羽化に当てはめてみたのがタイトルなのかもしれません。

些細な事(些細な事というのは個人的な感覚であり、もしかしたら歌詞で一切表現されていないだけで何やら無茶苦茶重大な事をやらかした、という可能性もなくはありませんが)をきっかけに、今までの自分が瓦解して新たな自分が顔を出してその新たな自分でこれからを生きていく……そんな1曲なのかな、とかんがえています。

リンク

蛾眉ノ蛹ハ羽化ヲ知ラズ(暁歌水月収録)/己龍の歌詞|『ROCK LYRIC』

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