試聴
極彩収録CD紹介
・シングル「月下美人」Dtype収録
極彩感想
最初は暗く重く始まるのかと思いきや、その後バンドサウンドは重たいままなのですが、少し不気味な雰囲気を併せ持つ華やかな同期音が聴こえてきて、夜に咲く花の様な光景が目に浮かぶ一曲です。
Aメロはシンプルにドラムとボーカルの構成が多めで、テンポは変わらない筈ですが何だかテンポが速くなっているような気がしてきます。
この曲は極彩というタイトルですが、主人公は自分の色……そのものというよりかはその価値観?にこだわりを持っているようなのです。
“染まる事を知らぬ無垢と信じて疑わぬ無知へ
知らず知らずに染まる”
―「極彩」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
無垢という言葉は直接色を示すのではなく、穢れが無い事を示しますが、そうは言っても「白」というイメージが付きまとう言葉です。
でも、無垢はきっと染まる事を知らないのではなく、染まる事を知らないんじゃないかと周りに思わせる程に圧倒的に自分の色を確率させているのではないでしょうか。
本当に染まる事を知らない為にあっさり染まってしまう無知とは、その辺りが違うのかな、と思います。
サビはひらりと花開くような聴きやすいメロディのバックで悲鳴が響いていたりします。華やかなように見えて、その裏には凄まじい犠牲があるのではないかと思える程です。
“透明に焦がれ切り刻んだ
透明を夢見てはばらばら”
―「極彩」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
主人公が透明に焦がれたのは、多分何色でも無い色だから、ではないかと私は勝手に考えています。
主人公は周りに染まらない存在になりたいのではないでしょうか。
では何でタイトルが極彩なのかという話ですが、この曲は最後には、
“私の色、それは極彩
極彩、故に透明”
―「極彩」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
この曲の中では、極彩と透明はイコールなのです。
共通点としては、どちらも何色でも無いということでは無いかと思います。
透明は色が無いから。極彩は逆に、色があり過ぎて何色という言葉では表現出来ない。
何色でも無いし、何色にも染まらない。そんな色を探し求めて辿り着いた色なのだと考えています。
楽曲も、サビ後も複雑に展開していき、まさに万華鏡のような、極彩色の輝きを放つ曲となっていますので、是非一度聴いてみてください。
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