「歪/己龍」を聴いてみた!

音楽感想

試聴

歪収録CD紹介

・アルバム「転生輪廻」収録

歪感想

イントロから漂うダークで雅な音は、まるで薄暗い空間に赤い唐傘が差されているような、陰鬱とした空間を描き出しています。SEは雨が降っているような音と、何かからからとした音がしていますね。

“ただ生きるだけでどれ程傷付き痛みを抱えようとも
朱い情は枯れた 溢れ吹き出すは手垢に塗れた人間色”
―「歪」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

陰鬱とした音は引き続き、絶叫のように響きながら恐怖を煽る音が漂う中、ボーカルの艷のある歌声が微かに嘆きの感情を加えます。

主人公が順風満帆な人生を送ったので無いことは歌詞の一文目から明確で、「朱い情」はその中でも血の通った暖かく綺麗な感情の事ではないかと思います。

そんな綺麗な思いやりは枯れて、汚れている、醜い……と自分で感じる本性が、顕になり始めているのでしょう。

“彼岸 此岸しがん
彼方あちら 此方こちら

べたりべたり

伸びては撫で回して愛でたつもり…かいなの群れ
畝る舌を絡ませて津液で湿らせたとて
そこに爪を立てて掻き回す

所詮は振り”
―「歪」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

「彼岸」~「べたりべたり」までは右に左に囁き声が聞こえる為、何かの強迫観念があるように感じられます。

主人公は愛を一身に受けて育つ事が出来なかったのでしょうか?少なくとも、自分に向けられた愛を、愛でたつもりなどと評す所からは、純粋に素直に愛を受け取る事は出来ていなかったようです。

キスをしたり、それ以上の関係になったとしても、それは自分に向けられた愛ではないと思い込み、それを破壊しようとしてしまいます。

“剥き出しの激情はただ指が触れただけで叫び散らす程に痛く
然れど尚、まさぐられて嗚咽混じりの涙を垂らして 取り繕う歪

生の有様”
―「歪」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

サビのメロディは何だか、囚われの蝶が羽ばたいているような美しさと力強さと、どこか物悲しさを感じます。

自分が爪を立てて関係を破壊しようとしてしまったのに、逆に相手に土足で心に触れられ、心の痛みのあまり、涙を流してしまいそうなのに、取り繕うというのは平然とした表情であろうとしているのでしょう。

この主人公の状態こそがまさに正常ではなく、「歪」と呼ぶ事が出来る……そんな、狂った華やかさをもつ1曲です。

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