「故人花トシテ/己龍」を聴いてみた!

音楽感想

試聴

故人花トシテ収録CD紹介

・16枚目のシングル「私ハ傀儡、猿轡ノ人形」収録

故人花トシテ感想

イントロが物凄く美しいです。琴の音色とストリングス系列に聴こえる音色の絡み合いが織り成す、少しの不安と哀しい美しさ。

その中で囁くようにタイトルコールが入った後、重厚なコーラスと共にサビのメロディが始まります。

灯篭あかりが下りて 帰途を忘れ
不甲斐なく天を仰ぎ 息を止めて歩いた
水下みなしも下らぬ 一世悼む
容易く そして散った 天に足掻く花よ”
―「故人花トシテ」歌詞(作詞:九条武政)より引用―

歌詞が複雑なのですが、こんな光景を想像します。
灯篭流しで灯篭が流れるのを見終わって、さぁ帰ろうと振り返るも、一瞬帰り道を忘れてしまう程の深い夜道。
その道を歩きながら、色々あったけれど、死んでしまったらあっけなく終わる物だと、亡くなった大切な人を偲ぶ時間。
そんな光景を想像すると、サビ直前からあぁと入る重厚なコーラスは、大量の灯篭が流されている様子にも聴こえてくるから不思議なものです。
サビ後の琴の響きもたまらないですね。

不躾ぶしつけ豁然かつぜんを説く 冷ややか「うつつ」推し量る
情念うそぶあやむは 仮初のさい
―「故人花トシテ」歌詞(作詞:九条武政)より引用―

「豁然」という言葉がわからなかったので調べてみた所、視野が大きく開ける様子、とか、心の迷いや疑いが消える様、真理を悟る様子などという意味があるようです。
大切な人を亡くした人に不躾に語られる豁然とは、例えば、「人はいつか死ぬものだから」といった様な言葉なのでしょうか。
残された人の気持ちは本人にしかわからないのに、勝手に推測し決めつけて、そのような簡単な言葉で励まそうとする周囲の人間、を描いているのかもしれません。

“不意に抜けた 条理跳ねて こころ裂けた 訃音兆し
白衣の老婆が 手を招いて 沈む夕日が 僕を笑った

あえかに咲く花よ
僕にも羽ばたく強さを”
―「故人花トシテ」歌詞(作詞:九条武政)より引用―

ここは、大切な人を亡くした事を受けて、次はいつになるかはわからないけれど確かに自分の番なのだ、と、そう感じているように思います。
だから悔いなくその瞬間を迎える為に、前を向いて羽ばたく強さが欲しい、と。
そして再び「灯篭が下りて~」とサビに入ります。

最後に、この曲を作詞作曲された九条武政さんのツイートを1つご紹介します。

この、「人は人を忘れていくものだ」という言葉、実は歌詞の最後にもあります。その上で、歌われる事が無く終わります。

“所詮人は人を忘れていくものであり、

孤独のなかで夢や幻想をおいかけていくものだ。

生きる事は辛く苦しい。

だから、せめて…それならば…。

ああ、今日も灯篭が下っていく。”
―「故人花トシテ」歌詞(作詞:九条武政)より引用―

大切な人を亡くして尚今の道で生き続ける決意、のようなもののようにも感じられます。
大切な人も常に偲び続けている訳ではありませんし、何か別の事をしている時は忘れてしまって、例えば、何回忌といったような日であったり、例えばこの曲を聴く等してふと思い出して偲ぶ、というような事はあると思います。

だからこそ、「忘れていくものだ」としているのかな、と思います。
時々偲ぶきっかけにしつつ、そこでしっかり偲んで、終わったら切り替えて前に進もう!といったメッセージも、もしかしたら含まれているのかもしれませんね。

リンク

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