「九尾/己龍」を聴いてみた!

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己龍「九尾」MUSIC VIDEO

(流血表現苦手な方は閲覧注意!)

九尾収録CD紹介

・13枚目のシングル「九尾」収録

・5枚目のアルバム「百鬼夜行」収録

・ベストアルバム「二〇〇七~二〇一七」収録

九尾感想

九尾の狐といえば妖怪のなかでも知名度が高めな妖怪・神獣の類ですが、激しいギターリフに、芯の強い尺八のような笛の音が響くイントロがこの曲の神性、ただものではなさを演出しています。

“飢えを忍び肥えた愛に舌舐めずり 一つ二つ巡る時を指折り数え
幼い姿 はらむ色欲 密に塗れ 雲の隙間、月が見せたそのきょ

九つに裂けた嘘の影”
―「九尾」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

Aメロのメロディは非常にテンポが早いです。早すぎてライブではボーカルは自身の声の同期音源と掛け合いをして歌っている程です。

恐らくこの曲の世界・時代では一夫多妻制が当たり前で、1人の男性に複数の女性がいた時代を舞台にしているのではないかと思います。

しかも主人公の女性は相手の男性を騙しています。愛ゆえか、そう見せかけて地位欲しさかはわかりませんが。

“飢えを晒し現抜かす月を喰らい 一つ二つ薄れかげむ嘘の影
幼い姿 孕む色欲 密に塗れ 愛の堕胎 憂き身やつし 尚々

貪り続けても満たされぬ腹”
―「九尾」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

恐らく男性は日々女性を取っかえ引っ変えしている事でしょう。一夫多妻の価値観では普通の事です。

なので相手になるまで数日待たされ、相手をされ、また相手にされるまでに数日待たなければいけない……
そんな事を繰り返しているうちに、女性の嘘は徐々に嘘ではなくなり、薄れていくのです。
女性はまだ幼さを残す程に若いのに、窶れながらもじっとその時を待ちます。
そして抑え込んだ欲は時が来た時に大爆発し、「いくら貪り続けても腹が満たされぬ状態」となるのです。

“今宵は宴なり 炮烙の晩餐に酔え
今宵は宴なり 笑い踊り狂えよ”
―「九尾」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

炮烙とは、正体が狐であるといわれる中国殷王朝の妃・妲己が、処刑を見世物ときて楽しむ為に考案した、油が塗られ熱された銅製の丸太の上を罪人が歩くという処刑システム。

何日も何日も待たされた自分の気持ちは、まるで炮烙の丸太のようにアツアツであると言いたいのだと思います。
もしかしたら主人公の相手はかなり地位のある男性で、本当に2人で会う時に見世物として炮烙を眺めている……という可能性もあります。

“尾をなびかせてひらりと舞えば 麻具波肥まぐわいさながら獣の如く
白濁の海は恍惚の夢 甘美な籠絡は祝言の雨
指の隙間にゆらりと舞えば 麻具波肥まぐわい血腥ちなまぐさき慰み
枯渇した海をすするが如く あけを知らぬ今宵は祝言の雨”
―「九尾」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

サビでは思いっきり、お楽しみなシーンが描かれています。「麻具波肥まぐわい」という言葉も、交わりを示す……そういう意味の言葉です。
もはやその行為は獣の如く血腥く……けれど待ち焦がれていたものであるが故に、恍惚とした時間であり、この夜が明けないで欲しいと願ってしまう……
そんな曲なのではないかと思ってしまいます。
九尾の狐、恐るべしです。

楽曲にも声にも妖しいまでの魅力がありますので、是非一度聴いてみて下さい!

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