盲/己龍~レビュー39曲目~

~盲収録CD紹介~

・5枚目のアルバム「百鬼夜行」収録

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~盲の感想~

切なく鳴り響くピアノから、壮大なイントロへと変化し、再び独白するかの様なAメロへ。

そして、感情をサビで爆発させます。

特に2番終了後からボーカルの感情がより昂っています。

「盲」は「めくら」と読み、意味は目が見えない人を示します。

この曲の作詞者でありボーカルの黒崎眞弥くろさきまひろさんは、実は先天性の「網膜色素変性症」という目の病気を患っており、光のある場所ではものを見る事が出来るが、暗所では殆ど物が見えない、という状態のようなのです。

私も時折、ライブハウスで暗転中にスタッフに手を引かれながら登場する黒崎さんの姿を目にします。

まだらむしばむ黒点が 佳景かけいを侵食してゆく
かざてのひらやがて黒い陽に呑まれ 瞼裏まなうらいた”

―「盲」歌詞より引用―

こちらは最初のサビ前の歌詞なのですが、徐々に視界に黒い点が増えてゆき、やがては自らのてのひらすらも黒く見えなくなってゆく……そんな光景が目に浮かびます。

盲とは、黒崎さんが彼自身の事を作詞した曲なのではないかと思います。

佳景とは良い眺めの事を示しますが、ボーカルの黒崎さんにとって佳景とは恐らく、多くのファンの前で自らの歌を披露出来る、ライブ会場そのものを示すのではないでしょうか?自らのライブ会場に足を運んでくれるファンの顔が、病に侵食されて行く……

不安に苛まれた夜もあるでしょう、何故こんな目で生まれてしまったのかと絶望を感じた夜もあるのかもしれません。

そんな事情を知りながらこの曲を耳にすると、ギターなどの楽器が、黒崎さんの気持ちに寄り添いながら一緒に泣いている様に聞こえてくるから不思議なものです。

また、黒崎さんにしかわからない気持ちがあるからこそ、それが歌となり表現された時に、聴く私達に「感情のこもっている歌だ」と思わせるのだと思います。

今猶いまなおれ」は緩やかに此の眼を蝕み続けて
何時か血膿ちうみと混じりえぐれ落ちた末期まつご
空虚な残響を反響するこえは…
何を遺し、何処へ向かう”
―「盲」歌詞より引用―

完全に目が見えなくなってしまったその日、恐らく己龍のボーカルとして活動出来なくなってしまっているであろうその日、自身の歌声は誰の心に何を遺しているのだろうかと、歌っているのではないかと思います。

その日が来ない事を、ファンとしては願わずにいられませんが、万が一来てしまった際には、私達の心にしっかり残されていると、伝える事が出来れば良いと思います。

感情のこもった歌が聴いてみたい方はぜひ、一度聴いてみては如何でしょうか?

~盲リンク~

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