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無垢収録CD紹介
・シングル「無垢」収録
・アルバム「転生輪廻」収録
無垢感想
イントロから鳴り響く、私はかなり高音の琴の音色だと思う音が美しいような、切ないような世界を演出しているように感じられる曲です。
それでいてバンドサウンドはリズミカルに聞こえて来るので、少しの狂気もあるような気がしないでもありません。
“一つ、二つ、三つ、四つと
終わる事の無い始まり
ぽたり ぽたり 滴る其れを
数えつつも見て見ぬふり幾千、幾万、幾億になり
始まる事の無い終わりへ
ぽたり ぽたり 滴る其れは
数え切れず右往左往”
―「無垢」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
3音ずつリズミカルに歌われるAメロでは、歌詞の主人公がとにかく終わる事の無い悲しみの中にいるのだけれど、それに気付かない振りをして平然と過ごそうとしている様子が描かれています。
恐らく、「ぽたり ぽたり 滴る其れ」は涙の事ではないかと思います。
最初は涙も一つ二つだったのに、終わらないから、いつの間にか、幾千、幾万になってしまったのでしょう。
“放し飼いの罵詈雑言が捩じ込んだ種で孕む疼き
喰い破り這い出したそれを抱けど其処に愛はあるか?此岸は黒い雨模様の中
ずぶ濡れで嗤う人間の群れ
晴れ間に架かる黒い虹に喝采
悍ましく咲いた彼岸花”
―「無垢」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
「放し飼いの罵詈雑言」~「愛はあるか?」まではデスボイス混じりでの掛け声となっています。
悲しみに沈んでいる主人公に向けて、周囲はやいのやいのと心無い言葉を浴びせかけているのでしょうね。
それがトラウマになって主人公は、本来なら透明な筈の雨や、本来なら色とりどりに見えるハズの虹すらも黒に見えてしまう程、心が壊れてしまったのだと思います。
“無垢が犯され斑に広がり滲んで面影もただの黒
あの頃はどんな顔で其れを見ている?
嗚呼 兎角
染みが底なき穴の口広げ やんやと囃し奉る両の目を引ん剥いて焼き付けた其の色は
「白」か「黒」か「極彩」かさぁ、何色に見える?”
―「無垢」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―
個人的には、「無垢」という曲は大切な人を亡くしてしまった曲なのではないかと思っています。
深く終わりのない悲しみに染まり、いつしか顔すらも思い出せなくなって。
そんな様子に周りの人は「お前はあの人が好きだったんじゃないのか、愛していたんじゃないのか」と心無く詰め寄り。
葬式で脳裏に焼き付いた色は黒白幕の色か、はたまた飾る花の極彩色か。
「さぁ、何色に見える?」はかなり荒々しい声の掛け声です。
この曲を聴きながら想像するその光景、何色の光景ですか?
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