「紫蝕/己龍」を聴いてみた!

音楽感想

試聴

紫蝕収録CD紹介

・シングル「紫蝕/最後ノ恋」収録

・アルバム「夢幻鳳影」収録(再録)

・ベストアルバム「二〇〇七~二〇一七」収録(再々録)

紫蝕感想

アルバムで一度再録、ベストアルバムで更に再録されていますが、今回は「夢幻鳳影」収録の再録版を聴きながらの感想となります。

イントロから、不安を煽る雅なメロディーと、喉を締め付けたような掠れた呻き声、「とおりゃんせ」のデスボイスが和製ホラーの世界観を演出します。

“人混みがうごめいて 其処には感情も無く
嬌声きょうせい 嘆声たんせい 奇声 罵声
耳障りな雑音だけ”
―「紫蝕」歌詞(作詞:黒崎眞弥)より引用―

今、主人公の周りには人混みと、様々な声があります。
「嬌声」……女性の艶かしい声、「嘆声」……嘆く声、「奇声」……多分、まさに悲鳴のような金切り声、「罵声」……罵る声。
今の主人公にはその声の全てが、雑音のように聞こえています。

この後に再びボーカル・黒崎眞弥さんの喉を締め付けるような声が再び聞こえてきますが、これが「嬌声」なのでしょうか。

“灰色の空の下よどみ 昏く濁り混ざる雲に
混沌と渦巻いた白黒モノクロ景色
疑心暗鬼取り憑かれては 纏わりついて離れずに
貪り喰らい尽くすまで きしる耳鳴りが……

とおりゃんせ とおりゃんせ
ひずむ信号機の音が…
とおりゃんせ とおりゃんせ
眩瞑げんめい 視界締めつける”
―「紫蝕」歌詞(作詞:黒崎眞弥)より引用―

さて、信号機の近くの白黒景色、何か思いつくものがありませんか?
そう、横断歩道です。
横断歩道に人が集まり、奇声や罵声が集まる光景……この曲が描いているのは、交通事故なのではないでしょうか?

すると嬌声は、被害者が苦しそうに呼吸をしている様が艶かしく聞こえてしまっている、という状態かもしれません。曲中で度々聞こえる、黒崎眞弥さんの苦しげな、喉を締め付ける呻き声も……

「軋る耳鳴りが…」から「とおりゃんせ」のBメロに入る前には、聞き取りにくいですが、恐らく「嬌声、嘆声、奇声、罵声」を繰り返すデスボイスも聞こえてきます。

主人公は人を跳ねてしまった、加害者で、「やってしまった!」という思いや、もしくはそんな事実すらショック過ぎてすぐには受け入れられず、周りの光景や音が歪んで聞こえるようになってしまっている状態なのかもしれません。

時々登場する「とおりゃんせ」ですが、童謡「とおりゃんせ」には、「いきはよいよい かえりはこわい」とありますから、主人公は何かをして自宅に帰る途中だった、のかもしれません。

「眩瞑」という言葉は、眩しくて目をつむると書きます。
私自身は運転をした事が無いのでよくはわかりませんが、テレビで交通事故を扱う内容があった際、トンネルの出口を抜ける瞬間が、運転手には眩しく感じる時があると聞いた事があります。
それでなくても、もしかしたら色々な位置関係で太陽光が入ってきたのかもしれません。
眩しくて、一瞬目を瞑ってしまった、細めて視界を狭めてしまった、その瞬間の悲劇なのでしょう。

紫空しくうに染まる

幾重にも織り成した岐路の何処かで
途切れ 跡切とぎれる理想論は
脆く音を立て崩れてゆく
鳴り止まぬ不協和音”
―「紫蝕」歌詞(作詞:黒崎眞弥)より引用―

「紫空に染まる」という言葉は、サビの前に一瞬で過ぎて行きます。
紫は青に赤を混ぜてできる色ですから、青空と血の赤を混ぜて紫、と表現されているのではないかと思っています。
血が空の青と混ざる様に宙に舞うのは一瞬、だからこの言葉も一瞬。

あの時別の道を選んでいれば。別の行動をしていれば。もう少し注意をしていれば。今の様な結果にはならなかった。

でもそれは今となってはただの理想論で、理想論へ続く道は途切れて崩れてしまった。
深い後悔の中で、信号機が青になると鳴り出す「とおりゃんせ」のメロディだけが頭の中で反芻されて鳴り止まない……

こんな恐ろしい光景は、曲の中だけに留めておくべきです。
曲を聴きながら、その光景を想像してみて下さい。
そして、その光景を現実にしないよう、日々の運転には注意をして安全に生活しましょうという、注意喚起が含まれているのかもしれませんね。

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