「空蝉/己龍」を聴いてみた!

音楽感想

試聴

空蝉収録CD紹介

・3枚目のアルバム「朱花艶閃」収録

空蝉感想

少し早めのテンポでノリは良く、情緒と哀愁を感じるギターがイントロを含め随所を彩るロックチューンです。

空蝉とは、蝉の抜け殻を示しています。夏の季語でもありますので、何となく夏をイメージします。

また、空蝉には生きている人間、という意味もあるようです。

“叫ぶのは眩し過ぎる短命の最中さなか……
舞えど…舞えど…されども見えぬ日出ひいづる彼方
叫ぶのは心ノ臓がなみだ流せぬから…
逃れ…逃れ…されども迫る儚き此方此方こちごち
叫ぶのは畏怖を金切かなぎ脆弱ぜいじゃくはさみ
裂いて…裂いて…散らばるモノは霹靂へきれきはね
―「空蝉」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

蝉の寿命は一般的には、成虫になってからは1週間程と言われています。
成虫の蝉があれ程までに凄まじい音量で鳴くのは、自分がわずかしか生きられない儚い命である為、その死から逃れようと必死に抵抗して鳴いているのでしょうか。

“何を馳せるのか…闇夜の
何を成せるのか…白昼夢”
―「空蝉」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

蝉は天敵に襲われる確率を少しでも減らす為、夜に羽化するイメージがあります。羽化する瞬間、蝉は一体何に思いを馳せているのか……と思いを巡らせます。
そして、白昼夢のような儚い命で一体何を成すのでしょうか?

“朽ち堕ちて砕け散るとて…残したソレは「生きた証」
風に浚われて消え行く咲けぬ華でも…
あけを見て脱ぎ捨てた昨…残したソレは「生きた証」
土に飲み込まれ消え行く咲けぬ華でも…”
―「空蝉」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

蝉の抜け殻は簡単に壊れてしまいますが、そんなものでもその蝉が生きていた証なのです。
風に浚われてしまったり、分解されて土に還ってしまったとしても、それは確かに、生きていた証なのです。

“ここに響く「哭泣こっきゅうの鳴」うたい刻むソレは「生きた証」
傀儡かいらいのままに散り行く事の無き様に”
―「空蝉」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

ラストサビに入る前には、サビと同じメロディで、ギター無しの、ドラムとベースのみで、歌詞を印象に残す事が出来るように歌い上げる箇所があります。
蝉は、ただただ無駄に生きて死ぬ事が無いように、力の限り鳴いています。そんな声がここに響いているのです。

この曲はアルバムにしか収録されていない曲で、ベストアルバムにも入っていないのですが、蝉を通して自身に投影してみる事で生と死について、生きた証を残す事にについて考えられる名曲です。単なる一アルバムに収録された楽曲、とだけしておくのは非常に勿体ない!と思える楽曲です。

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