「熄/己龍」を聴いてみた!

音楽感想

試聴

熄収録CD紹介

・シングル「彩」通常盤Dtype収録

熄感想

なお、タイトルの「熄」は「うずみび」と読みまして、灰に埋めた炭火とか、火が消えるとか、そんな意味があるのだそうですよ。

イントロから、加工された電子音とピアノの音がどこか狂ったように和のメロディを奏でています。この音からは、悲しさと、僅かに自虐に似た哀れな滑稽さを感じます。

うずくまり見上げても空はまだ淀みて行く末妨げる
溜息は止め処なく溢れても変わらぬ視界に項垂うなだれる
遺された命はまだ繋げどまなこに生気は失われ
立ち止まり振り返ると其処には真っ白に溶けた黒の跡”
―「熄」歌詞(作詞:遠海准司/酒井参輝)より引用―

まずはAメロは小刻みなリズムで小気味よく流れます。

主人公はもう、生きている事に希望が見い出せない状態になっているのだと思います。

例えば何らかの事由で重大な怪我を負ったり病に侵されているのか、そうではないけれど絶望に打ちひしがれるような何かがあったのか、それは定かではありませんが……

生きる事を望んでいないのに、無理矢理生かされている状態であるように思うのです。

“ゆらゆら揺れる ひらひらねむ
掌合わせて爛れた声は塵と消え行く”
―「熄」歌詞(作詞:遠海准司/酒井参輝)より引用―

Aメロを二度繰り返し、Bメロは美しいコーラスから入ります。
主人公の望む声は、誰にも届く事がないのでしょう。少しずつ音が高まっていき……「消え行く」の所が微かに涙声になっているようにすら聞こえてきます。

“荒れて朽ち果てては朽ち落ちては
繰り返して闇よりいず
滴るのは無力さ故 希も消え 闇の淵
荒れて朽ち果てては朽ち落ちては
繰り返して闇より出る
滴るのは無知なる故 望むは只…闇むと”
―「熄」歌詞(作詞:遠海准司/酒井参輝)より引用―

サビのメロディもとても美しいです。特に、「朽ち果てて」「は」「朽ち落ちて」「は」の、「は」が美しいファルセットで、華が枯れる度に再び咲こうとするような美しさと力強さを感じます。

それなのに、何度咲いてもずっと咲き続ける事が出来ずにまた朽ちてしまう程に闇は深く……それがこの曲の切なさを描いています。

この曲を初めて聴いた時は、こんなに切なくも美しい曲が何故シングルでなくカップリングでしか聴けないのかと、とても惜しく思った程です。
是非皆様も、一度聴いてみてください。

リンク

熄(彩収録)/己龍の歌詞『ROCK LYRIC』

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