Syunikiss~二度目の哀悼~/MALICE MIZER~レビュー188曲目~

V系一曲レビュー

~「Syunikiss~二度目の哀悼~」収録CD紹介~

・メジャーデビューアルバム「merveilles」収録




~「Syunikiss~二度目の哀悼~」感想~

イントロの、細かく左右に振られるヴァイオリンの音色から心を鷲掴みにされる耽美な世界観が展開されます。

静と動のバランス、ヴァイオリンのリズムから生み出される疾走感とドラム主体で生み出される1歩深く沈み込む重厚感から、全体的に踊っているかのような雰囲気を感じられる楽曲です。

なお、タイトルの「Syunikiss」は造語のようです。
一説によると、「主に帰す」という意味とかけているのだとか。

“Hold on…
you’re gonna be okey somebady… help us…

Ah…君が繰り返す独り言は君の最期に僕が叫んだ言葉”
―「Syunikiss~二度目の哀悼~」歌詞より引用―

「最期」という言葉がありますので、歌詞の主人公は、大切な「君」を亡くしてしまっている事がわかります。

英文部分は、ざっくりと訳してしまうと、「誰でも良いから助けて欲しい!」という感情の現れでしょうか。

大切な「君」がまさに最期を迎える瞬間、主人公は藁にも縋る思いで叫んだであろう事が想像出来ます。「私達を助けて欲しい!」と。その時主人公が思い描いた未来は、「君」が元気になり、幸せに過ごす未来だった事でしょう。しかしそれは叶わなかった。

“祈りが届いたのか…目の前に記憶のままの君がいる
Ah…君が繰り返す独り言は誰も知るはずもない最期の言葉”
―「Syunikiss~二度目の哀悼~」歌詞より引用―

歌詞の主人公の祈りが届いたのでしょう、亡くなった筈の「君」が、主人公の目の前に再び姿を表します。

“駆け寄った僕は君を抱き震える指で頬をなぞる

Ah…僕の願いを叶えてくれた空にやどる主へ
もう一度願いを叶えて…「彼女に心を戻して」

冷たい瞳で空を見つめてる
帰るべき場所を知っているかのように”
―「Syunikiss~二度目の哀悼~」歌詞より引用―

主人公は目の前で起きた事が信じられず、思わず「君」に駆け寄り、本当に存在しているのだと、触れて確認をします。

しかしその時、そこにいるのは「君」の体だけで、その心は戻ってきていないのだと思い、「彼女に心を戻して」と再び祈ります。

何故なら「君」は「助けて欲しい」と独り言のように繰り返しながらただひたすらに冷たい瞳で空を見つめているから。

「帰るべき場所を知っているかのように」と描写されてはいますが、歌詞の主人公にはそうは映らなかったからこそ、「心を戻して」と願ってしまったのでしょう。

本来は死んでいる筈のものが願いにより歪められ、本来ある筈ではない状態になってしまったのですから、「君」にどんな苦しみがあるのか、簡単に想像出来るようなものではありません。

“Ah…僕の願いを叶えてくれた空にやどる主へ
最後の願いを叶えて…「彼女を安らかに眠らせて」

冷たい指で涙の跡をなぞる
震える声で「空に帰して…」と繰り返す”
―「Syunikiss~二度目の哀悼~」歌詞より引用―

楽曲の最後の部分です。
主人公の二度目の願い、「彼女に心を戻す」も叶えられました。しかしその結果、「然るべき所に帰りたい」という意思が、彼女の意思として正確に主人公に伝えられた。

なので主人公は最後に、「彼女を安らかに眠らせて」と願います。

最後、「空に帰して」と繰り返しているのは主人公なのか彼女なのか、解釈が別れるところだとは思いますが、私は彼女ではないかと考えています。

こう解釈するのが普通かとは思いましたが、書いているうちに別の光景がふと浮かんで来たのでそれも記しておきます。

別の光景……例えば、実は彼女の心は戻らないまま、最後のサビだけ実は何年も時間が過ぎており、主人公は年老いているのに彼女だけは今も記憶にあるあの日の姿のままで存在していて、

流石に主人公も自らの願いが叶った事がどれだけ歪んだ事なのかを実感として知らされてしまった……そんな光景です。
その光景だと、「空に帰して」と繰り返すのは主人公になりますね。

濃厚な世界観でありながら人それぞれに考察も捗りそうなこの曲。とてもクラシカルですが、クラシカルだけでは収まらない何かが間違いなくありますので、是非一度聴いてみて下さい!




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