試聴
盲目であるが故の疎外感収録CD紹介
・アルバム「痛絶」収録
・セルフカバーアルバム「新痛絶」収録
盲目であるが故の疎外感感想
イントロから重く苦しい印象のベースが響いてきますね。
Aメロでクリーンギターが入ってくるには入ってきますが、だからといって曲の雰囲気が明るくなるなんて事は一切ありません。
ボーカルの歌にも少しエコーがかかっているような気がして、お風呂場の片隅で懺悔しているような、ちょっとした湿り気を感じます。
“何をしても楽しくないから何かをする気にもなれません”
―「盲目であるが故の疎外感」歌詞(作詞:ミヤ)より引用―
「何をしても楽しくない」……主人公と同じようにうつ状態にある、もしくはあった事がある人はそのような感情に心当たりがある事でしょう。
この後もただひたすらに鬱々とした暗い雰囲気のメロディが流れて来ます。
そしてサビになって、急に感情が爆発したように、今までよりは少し高い音で叫ばれるのです。
“メクラであるが故の疎外感から逃れる事が出来なくて
必要のないこの目を何度も潰してやりたいと思いました”
―「盲目であるが故の疎外感」歌詞(作詞:ミヤ)より引用―
主人公がいかにストレスに溢れた生活を送っているか、何となく伝わってくるような気がします。
そして、誰からも助けの手が差し伸べられることも無く、主人公の中で必要のないものを消し去ろうとしてしまいたくなる気持ちは日に日に大きくなっていくのです。
楽曲の最後では、このように歌われています。
“盲目であるが故の疎外感からどうしても逃げ出したくて
必要とされないこの存在全て消してしまうことに決めました
何も見えない暗闇の底で人殺しをしようとしている僕を
誰一人として止めようとはしてくれませんでした”
―「盲目であるが故の疎外感」歌詞(作詞:ミヤ)より引用―
最後のサビはそれまでのサビのようにそれなりの高さで叫ぶような歌にはなっておらず、低音で這うような声で歌われています。
多分、主人公は生きようと抵抗する事を諦めて、決意してしまったのだと思います。
そして多分、偶然にも決意した瞬間に、周りに誰もいなかっただけなのです。でもその偶然は主人公が行動を起こすには十分だったのです。
暗い曲を聴こうと決意しないと、なかなか手が伸びるタイプの曲ではありませんが、今日はとことん暗い気分になりたい……なんて時には最適な一曲だと思います。
リンク
盲目であるが故の疎外感(痛絶収録)/MUCCの歌詞|『ROCK LYRIC』

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