木枯らしの花嫁収録CD紹介
・アルバム「VISUAL IS DEAD」収録
木枯らしの花嫁感想
最初にリズムを取った後の、情緒溢れるギターのメロディが非常に印象的です。
“今年もまたあの季節が
窓の外 琥珀に染める”
―「木枯らしの花嫁」歌詞(作詞:マモ)より引用―
琥珀色は落ち葉の色でしょうから、「あの季節」は秋の事だと私は思います。
琥珀色がもう1つ示すのは、回想シーンの色。
主人公にとって秋という季節は何かがあり、どうしてもその時の事を思い出してしまうのだと、そういう意味にも取れるような気がします。
そして歌メロが終わると再び、イントロのギターメロディがさらに壮大さを増して奏でられます。
“古いアルバム開くとすぐ
出会った頃の笑顔が二つ
見返すようにめくってみても
残す余白の記念日”
―「木枯らしの花嫁」歌詞(作詞:マモ)より引用―
リズムとピアノがシンプル尚且つ切なく響きます。
歌詞の主人公には大切にしている人がいて、アルバムには2人の笑顔の写真があります。
しかしめくるともう次の写真は無く、何らかの理由で一緒にいる事が出来なかった事が読み取れます。
少なくとも、主人公が相手を嫌ったらアルバムはめくらないでしょうから、そういう事ではなさそうですね。
“暁は容赦なく時を奪い込み
あどけない笑顔を空へ浮かべた”
―「木枯らしの花嫁」歌詞(作詞:マモ)より引用―
私はこのBメロを聴いて、主人公の大切な人は亡くなってしまったんだな、と感じています。
亡くなってしまった事を遠回しに表現する時に、「空へ行ってしまった」「星になってしまった」など、亡くなられた方は空から自分を見ているのだと思わせるような表現をする事があるからです。
“目を閉じれば 昨日の様に
あなたが呼んでいる声が聞こえる
そちら側を 望む事も
許されない私は何処に……”
―「木枯らしの花嫁」歌詞(作詞:マモ)より引用―
サビの情緒溢れる切なさに、聴いていると涙が出てきそうです。
亡くなってだいぶ経っているのでしょうか。なのに、目を閉じればその思い出は昨日の様に蘇ります。
後を追う事を望む人がいない事は主人公も理解しているのでしょう。それを許されないとした上で、それでも大切な人を忘れられず、どうして良いか分からず途方に暮れる主人公の姿がサビで描かれます。
大切な人を亡くし、忘れられずにいる人はこの曲に非常に共感出来、また共感されたと感じる事で幾分か楽になる気持ちもあるのではないかと思いますので、是非聴いてみて下さい。
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