試聴
動画
千年の独奏歌収録CD紹介
・アルバム「VOCALOID BEST from ニコニコ動画(あお)」収録
・コンピレーションアルバム「EXIT TUNES PRESENTS Vocalonation feat.初音ミク」収録
・コンピレーションアルバム「VOCALOID民族調曲集」収録
千年の独奏歌感想
製作者のyanagiPが、VOCALOID・KAITOを購入した後、このVOCALOIDはどんな声が出せて、どんな曲・どんな歌い方が合っているのか考えた末に生み出したという曲。
イントロから広い大自然・草原をイメージ出来る、笛系の民族調の楽器の音色が響きます。
“ひとり灰色の丘 乾いた枯草踏みしめて
思い巡らせる 空の彼方に
風に揺れる花びら 柔らかなあなたの微笑み
淡い記憶のかけら セピア色の向こうの幻”
―「千年の独奏歌」歌詞(作詞:yanagiP)より引用―
最近はVOCALOIDもリアルな歌声が出るように進化していますので、それに比べると初期のVOCALOIDが使用されているこの楽曲はどうしても全体的に声に機械感が残ります。
ですがこの楽曲に関して言えばその機械感すらも味、という感じがします。リアルな歌声が出る最新のVOCALOIDであっても、加工して出したくなるかもしれません。
機械感があるのに穏やかで、どこか優しさを感じる歌声で、過去を回想しています。
“誰も知らない歌を奏でよう この身が錆びて止まろうとも
崩れかけた墓標に歌い続けよう あなたの残した歌を”
―「千年の独奏歌」歌詞(作詞:yanagiP)より引用―
ここでいう「あなた」はyanagiPを含めた全ての、VOCALOID・KAITOを利用し楽曲を制作する人達を示しています。
例えば本当に千年やそれ以上の年月が立ったとして、もうあなたを知る人はいないし、もしかしたらもはや人間そのものもいない可能性がある世界で、あなたのお墓の前で、あなたが作り残してくれた歌を歌い続けます……。
VOCALOIDはソフトウェアなので感情など無い筈ですが、KAITOという感情を持った一個人がそこにいるのではないかと錯覚してしまいそうです。
“この体は全て 作り物でしかないけど
この心はせめて 歌に捧げていよう”
―「千年の独奏歌」歌詞(作詞:yanagiP)より引用―
「この」の声の伸び方に、やや人に近い力強さを感じるサビ。あなたの歌を歌う事が大好きだから、体は機械だけれど心は歌を通してあなたに捧げ続けています、という宣言だと思います。
この曲の発表はもう10年以上前になるのですが、未だに色褪せる事の無い名曲だと私は思います。
10年経って色褪せていないのだから、千年経過してもどこかで残っているといいな、と思える名曲ですので、聴いたことの無い方は是非一度聴いてみて下さい。
もしかしたら今まで抱いていたVOCALOIDへの偏見などあれば、それが無くなるかもしれませんよ?
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