「天照」(己龍 シングル)収録曲感想

CD紹介
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試聴

収録曲紹介

天照

タイトルの印象に加え、琴や三味線のような明るい音色が印象的で、まるで太陽が昇っていくような感覚を呼び起こします。

“天は今もアノ日のままで 変わる事も無くて 「鈍色模様」”
―「天照」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

という歌詞からも、快晴というより、曇り空の中に一筋の光が差すような情景が浮かびました。

仮に“鈍色模様の晴天”だったとしたら、相当ユニークな色彩感覚かも……。

全体としては、雅で華やかな雰囲気の一曲です。

雛奉

前曲の華やかな余韻から一転し、尺八の音色が祭囃子のような世界観へと引き込む独特な幕開けを演出します。

和の要素にポップさと不気味さが同居するのは、己龍らしい持ち味であり、まるで妖怪や和人形が踊っている光景が浮かぶようです。

軽快で楽しげなのに、よく見ると異形が踊っているような感覚が、聴く者に不思議な高揚感をもたらします。

“春の弥生の この佳き日は…”
―「雛奉」歌詞(作詞:黒崎眞弥)より引用―

という歌詞からも、どこか春の日差しのような明るさが感じられ、妖しくも祝祭的な雰囲気が漂います。

異世界的でありながら、確かに日本の情緒に根差した美しさを描く一曲です。

傷ノ声(Ctypeのみ)

まるで暗闇の空洞の中にいるような感覚を覚える一曲です。

手首に静かに刻まれた、誰にも知られることのない“傷”が静かに語りかけるように、音のひとつひとつが沈黙の痛みを響かせます。

激しいサウンドが全体を包みながらも、その勢いは希望ではなく、絶望の奈落へと引きずり込む力に変わります。

特にサビ直後に響くデスボイスの絶叫とともに、木琴のような硬質な音色が響くのが印象的で、聴き手を音の底へと突き落とすかのような落下感を演出しています。

強烈でありながら繊細さも孕んだ一曲で、痛みや孤独を鋭く表現する己龍の世界観が色濃く滲み出ています。

三途川(Dtypeのみ)

川の流れを思わせる一定のテンションで始まるギターリフが印象的で、その後のメロディ展開はまるで船を力強く漕ぎ進めるような臨場感を醸し出します。

川の中には亡者たちが潜み、来訪者を手を変え品を変え誘惑し、ついにはその者を水底へと引きずり込んでしまう…。そんな情景が浮かびます。

曲が進むにつれ、再び静けさを取り戻す川の様子も感じられ、その一連の流れに身を委ねることになります。

陽気に響くメロディながら、脳裏に浮かぶのは泥の色をした川面と、その上で繰り広げられる妖しくも悲哀を帯びた光景。

独特な旋律でありながらも耳に馴染みやすく、強い印象を残す仕上がりで、このシングルの中でも特に惹きつけられる一曲だと感じています。

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