「天照」(己龍12枚目のシングル)収録曲感想

CD紹介

試聴

収録曲紹介

天照

天照という言葉のイメージが先行しているのもありますが、所々に聴こえる明るい琴のような三味線のような音色が、上っていく太陽を感じさせる一曲です。

“天は今もアノ日のままで 変わる事も無くて 「鈍色模様」”
―「天照」歌詞(作詞:酒井参輝)より引用―

という歌詞もあるので、雲ひとつない晴天……というよりは、ずっと曇り空なんだけれど、その中から晴れ間が差していると考えた方が自然だと思いました。

鈍色模様の晴天の空とかだったら色彩感覚のセンスが独特すぎる……

とても雅で華やかな雰囲気の曲です。

雛奉

前の曲が華やかに終わったかと思いきや、一気に祭囃子のような世界観に引きずり込む尺八の音色。

和でポップさと不気味さが同居する、己龍さんの得意分野かと思います。

踊るような楽しさがあるんだけど、踊っているのがよくよく見ると妖怪や和人形だったみたいな、そんな感覚。

“春の弥生の この佳き日は…”
―「雛奉」歌詞(作詞:黒崎眞弥)より引用―

こんな歌詞もあるので、どことなく描かれる光景の中に太陽を感じます。

傷ノ声(Ctypeのみ)

暗闇の空洞の中で聴いているような感覚に襲われる一曲です。

それもその筈、この傷は誰にも知られずにひっそりと手首を傷つけて現れる傷だからです。

激しい曲ではあるのですが、その勢いのまま絶望の奈落の底に突き落とされるような感覚があります。

特にサビ後のデスボイスで絶叫する時に強く聞こえてくる、木琴のような音?が、落下する感覚を演出します。

三途川(Dtypeのみ)

最初に延々と同じテンションで続くギターの音色が川の流れを示し、その後のメロディの変化は船を力強く漕いでいる様子を思い起こさせる曲です。

川に住まう亡者達は来訪者を引きずり込もうと、あの手この手で誘惑しまくっています。

そして来訪者は引きずり込まれ、やがて川に元通りの静かさが戻っていくのです……

陽気なメロディなのに、浮かんでくるのは泥の色をした川の上での光景しか浮かびません。

独特なメロディながら聴きやすくてインパクトも強いので、このシングルの中では個人的に一番好きな曲だと思っています。

視聴環境

音源:Apple Music配信音源

再生機器:Xperia 10 Ⅲ(DSEE Ultimate)

イヤホン:FAAEAL HIBISCUS

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