試聴
収録曲紹介
絶唱
イントロのカッコ良い入り方と、後はサビの「絶唱」のデスボイスから漂う、狂って絶望した感覚がたまらない一曲です。
手纏ノ端無キガ如シ
不倫の果てに生まれた子供を捨てる曲かなって思いました。
そして捨てられた子供は何時しか成長して、同じように捨てられた子供の手を引いて進むようになるんです。
ただひたすら、その繰り返し。捨てられているから、出口(多分、親の愛がある日常のような気がします)なんて見当たらない。
以前己龍チャンネルの動画で聞いたのですが、同期音だけ聴くと何だか神秘的な気がして美しいです。
虚仮威
「良い人」の殻を破れない本音なんて、「所詮そんなモノでしょう」?と問いかけられているような気がします。
少し見下しや侮蔑、嘲笑いなんかも入っているでしょうか。
閃光
静かだけれど、華やかな雰囲気の曲。
遊女がその命を花開かせて咲かせているような雰囲気があります。
基本的には色とりどりな感じですが、「灰」「枯れ木」など、対比として鮮やかとは言い難い色を放つものも描かれていて、その為に色鮮やかさがより強調されているような感じがあります。
春
この、爽やかな晴天の下で静かに狂っているような世界は大好きです。
爽やかな曲調なんですが、ふとした瞬間に「情が全て死んでくれたら」とか、「気狂日和」とかいう言葉が耳に飛び込んで来るんですよ……。
花鳥風月
最初シングルで聴いた時はイントロのストリングスの音色があるのが己龍らしくないなぁとか思っていたんですが、聴けば聴くほど、「歪んだ花鳥風月」を表現するのには最適な音色なんだなぁとも思うようになりました。
箱庭
美しいのに狂っている曲です。
箱庭は、「私」が好きに出来る世界と言うより、「私」しかいない世界なんだろうなって思いました。
そこに閉じ込めたつもりなのなら、ちゃんと蓋をしておかないといつか逃げ出す気も満々なのでしょうね。
日輪
イントロの笑い声凄く邪悪ですね……
その後の音も、メロディも、コーラスも不安を掻き立てます。
「私」が掻き乱されていく様子が描かれています。
最後、「殺す」と書いて「あやす」と読ませるのは、普通にあやめるとも読みますし、子供をあやす、宥めるという意味もあるのでしょうか。
でも宥めるという事は気持ちを殺すという解釈も出来そうです。
凛
暗闇で、地獄の業火が燃え上がるような曲です。
時々無機質にリズミカルに聞こえるのが、まさに業火に焼かれて踊り狂っている様子のようにも感じられるんですよね。
そしてまた煌々と燃え盛り……
「咲け」という言葉には残響感もありますので、かなり広い場所なんだと思います。
洋風に言えば魔女裁判とかイメージとして近いかもしれません。
私塗レ
この曲もだいぶイントロの印象が己龍っぽく、和風っぽくないなぁ……と感じていました。
シングルのパッケージやPVの印象にも左右されているのですが、基本的に何か赤いイメージがある今アルバムに、強烈な青く冷たいイメージを塗り重ねている曲です。
今までの曲にそれぞれ登場して来た「私」はここに集約していくのでしょう。
苦しんだり、狂ったり、色んな私がいます。
曼珠沙華
Aメロのメロディに何だか危機感を煽られます。
サビは咲き誇る華の美しさと、ほんの少しの毒々しさを感じます。
この毒の正体は歌詞の中で、「依存」と歌われていますね。
共依存みたいな感じなのでしょうか。そしてもう、戻れない所にいる。
鵺
華やかな雰囲気も残しつつ暴れ曲の雰囲気も感じます。
個人的には「気が狂れる」の後のギターの掛け合いの所の同期音?が大好きですね。
暗い穴の奥底に突き落とされたような響きを感じます。
残穢
これ、コロナ禍じゃなかったらサビでサークルモッシュ起きてません?
と思ったらサビじゃなくて全般2パートを繰り返している感じなので、もう最初から最後までサークルモッシュしまくりの曲じゃありませんこれ?
螢
壮大な空を感じさせるギターから、ふわっと飛び立つ蛍の光を感じさせるイントロが本当に素敵だと思うのです。
「私塗レ」では数多の私の犠牲の上に1人の「私」が成り立っている……そんな印象を受けましたが、その犠牲になった「私」1人1人が蛍の光になって、最後に残った「私」を仄かに照らしている……そんな気がします。
そして、その蛍が飛び立つのを見送って、最後の瞬間に笑って死ねるように生きようと、決意を新たにしたのではないでしょうか。
アルバムの最後の最後に救いの光をもたらしてくれる一曲です。
視聴環境
音源:Apple Music配信音源
再生機器:Xperia 10 Ⅲ(DSEE Ultimate)
イヤホン:TRN V90
ケーブル:JSHiFi-ZB8
イヤーピース:final Eタイプ
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