試聴
収録曲感想
サンタマリアの熱い風
いきなり情熱のタップダンスを踊ったりするのが似合っていそうな一曲の登場。
漫画にすると、劇画調が似合いそうな熱さを秘めています。
劇画調の女性が赤いドレスを来てダンスを踊りながらその悲しみを全力で表現している……そんな印象を受けました。
幻へようこそ
こちらは打って変わって幻想的な雰囲気の曲。
常夏の島の海を感じる曲。
歌詞の中に、「私が何を思っているのかおわかりになりますか」というのがあるのですが、海の美しさ=その人の表面的なしぐさが目に見えていても、海の中=本心はどう思っているのかわからない、というちょっとしたエッセンスも入っています。
美しいだけでは終わらない闇をほんのりと感じられるバランスがまた絶妙です……
だから「幻」へようこそ、なんでしょうね……
蜃気楼
全体的に寂しさ・悲しさで彩られた、夜の儚い光の中に溶けて消えていってしまいそうな曲です。
その思いが強いからこそ、一瞬でグッと迫ってくるような迫力はなくてもずっとその感情が何年も何年も尾を引くみたいな事はあるんだと思います。
絶体絶命
これ、「絶体絶命」なのは歌ってる主人公側でなくて、「さあさあ」と迫られる(圧が凄い、圧が)、聴いてる側=彼だと思いました。
「その人と私のどちらを選ぶの」という歌詞の後の、ボーカルの無いギターフレーズがとても怖く感じます……
三角関係って怖い怖い。
水鏡
深く深く悲しみと後悔が滲んでいるような曲です。
雨に濡れながら立ち尽くす姿が目に浮かんできます。
ヒ・ロ・イ・ン
浮気だって弁えているのかな……という感覚になる曲です。
悲しい曲なのに、どこか道化を演じているような気もするんですよね。
自分の悲しさを閉じ込めて、悲劇のヒロインとして見る事でどうにか必死に冷静さを保とうとしているのかもしれません。
空蝉
空蝉って蝉の抜け殻って意味ですが、これ絶対空っぽの抜け殻じゃないですね……
空っぽ抜け殻に未練が詰まっています。
「ののしる言葉もない」なんて歌詞がありますが、絶対ありますね……この力強さで言葉が無いって絶対ない。
適切な言葉が出てこない程想いが強い、のならあるかもしれません。
それとも、当時の感覚ではその感情は表に出すべきではない、という感覚が主流だったんでしょうか?
或る女…或る日
何かポコポコした感じの音が楽しさを感じ、重ねられたボーカルはどこか異国情緒を感じる曲です。
霧雨楼
ちょっと湿っぽい音から始まる、クリーンギターが寂しげな曲。
かと思いきや悲しさの表現が急に壮大になったりします。
このメリハリがドラマチックで、曲の世界観に引き込まれずにはいられません……
ラスト・ソング
聴く人が自分自身の事を「貴方」の中に投影しやすい曲です。
特に、山口百恵さんのステージを見ていて、ステージ上の山口百恵さんが歌っている時に成立しやすそうです。
悲しい理由で、ステージを終わらせたくないと最後までもがいているような曲。
プレイバック part2
一番有名な曲なんじゃないかって個人的には考えています。
「坊や いったい何を教わってきたの」
これをこの貫禄で歌えるとか、リリース当時の山口百恵さん一体何歳なんですか……
色々な映像とか見る限りでは「坊や」呼びに貫禄を持たせられるほど年を重ねた方には見えない若さだったような……
視聴環境
音源:Apple Music配信音源
再生機器:Xperia 10 Ⅲ(DSEE Ultimate)
イヤホン:CCA C10 PRO
イヤホンケーブル:NICEHCK C8-1
コメント